企画展「戦時下の三島由紀夫―学習院高等科時代―」
三島由紀夫が、学習院高等科に在学していた頃、時代は戦時下の真っただ中にありました。昭和16年に太平洋戦争がはじまると、時代は大きく変化し、戦況の悪化による学業年限短縮、徴兵適齢の引き下げなども行われ、それらは三島自身にも大きく影響していきました。そんな時代の中でも、三島は作品を書き続けていったのです。
昭和17年、学習院高等科に進学した三島は、東文彦、徳川義恭と共に同人誌『赤絵』を創刊し、「苧菟と瑪耶」などを発表。『文藝文化』にも多くの小説や詩、エッセイなどを発表します。
昭和18年には、輔仁会春季文化大会で三島作・演出で『やがてみ楯』を上演。これが三島にとって、最初の戯曲上演でした。
昭和19年5月に徴兵検査を受け、第二乙種合格。この年の9月に高等科を首席で卒業し、宮中に参内して銀時計を賜りました。学業短縮措置により、通常より半年早い卒業でした。
三島の高等科時代のほとんどの資料は、当館で発見され、整理されたものです。三島が学生時代に多くの作品を執筆していることは分かっていましたが、全く知られていなかった作品や、題名だけが分かっていた作品もあり、多数の草稿や異稿も見つかっています。これらの資料には、不朽の名作を生み出すことになる確かな源泉を見ることができます。是非ご来館ください。
会期:2014(平成26)年7月1日(火)~
会場:徳富蘇峰館・企画展示室
主催:山中湖文学の森・三島由紀夫文学館、山中湖村教育委員会